峠の犬 (2001/08/31)
| つげ義春の漫画に『峠の犬』という短編がある。時代劇である。行商人（主人公）、犬、峠の茶屋のオヤジ、その他若干のエキストラが登場する。 行商人の住まいの近くに犬がいた。その犬は１年ほど前にどこからともなく現れ、近所で飼われた犬である。行商人が旅から戻ると犬はいなくなっていた。ところがその後、行商人はある峠でその犬を見かける。犬は別の名前で呼ばれていた。もともとそこで飼われていた犬であるという。あるとき何処かに消えてしまい、１年後に戻ってきたのだという。ストーリーだけを追えばそういう物語である。 私の家に猫のチーコが住みついたとき私はこの物語を思い出した。チーコも今までどこかで飼われていた猫かも知れない。別の名前で呼ばれていたかも知れない。食事があまり与えられなくなると猫は何処かに消えるという。チーコもいつか何処かに消えてしまうのではないかと少し不安を覚えた。 |
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