金 (2002/02/20)

　　私は東海銀行（現ＵＦＪ銀行）の普通口座に給料を振り込んでもらう。この口座は通常は預金額がプラスであるけれど、１年の３分の１くらいの期間はマイナスになる。特に１１月、１２月は決まってマイナスである。年末にマイナスになるのは理由がある。例年は夏に自腹で外国に行くか、秋に家族旅行をする。すると預金額はマイナスになる。給料が入れば回復するのでは、という期待も空しく、私の給料ではマイナス幅を小さくさせることができない。１１月の生命保険の年払が駄目押しとなり、ドーンとマイナスになってしまう。この状態が回復するのはいつも、年末のボーナスが入ってからである。
　預金額がマイナスになるという経験は家庭を持ってからだと思う。結婚した頃の１０数年前は、私の月給は手取りで２０万円以下、年で３００万円程度だった。それでも、一人暮らしをしているとお金はなくならなかった。　私には趣味がない。少なくとも金のかかる趣味がない。酒を飲みに行くこともまずなかった。多少の贅沢といえば昼食にデニーズとか不二家に行くことが多かったことくらいである。だから手取り月２０万円でも使い切れなかった。むろん額が低いので貯めたところでたかが知れていた。

　今年も例年のように預金額がマイナスになった。主な原因は自腹で夏に外国に行ったからである。ただ、幸か不幸か、今年はカミさんの出産予定が１０月の初めに入っていた。例年なら外国に家族で行くところである（だからお金がなくなる）。が、カミさんが動けず、子供も学校があるとかで、家族旅行は流れ、私は一人で出かけた。一人ならそれほど金がかからない。夏に買ったパソコンも高額ではない。出産の費用も知れている。出産が入ったので秋の家族旅行もなくなった。猫の温室代もさほどではない。だから今年の預金のマイナス額は小さかった。
　それでもこのマイナス額はしつこく続いた。１１月末の生命保険の年払でマイナス額は大きくなった。が、その頃になると「もうじきボーナス」という予測が立つので慌てない。１２月にボーナスが入ってマイナスは一気に解消した。私は同業者の中では明かに貧乏な方だけれど、世間の景気が厳しいときにこんなにボーナスを頂いてよいのか、と思うことがある。

メール