また、猫預け (2002/05/04)

　４月２９日にカミさんの親戚にご不幸があった。カミさんは子供を連れて次の日、４月３０日に郷里に発つという。私はあいにく、４月３０日に大学の外で仕事がある。仕事を終えた次の日、５月１日に私はカミさんの郷里に向かうことにした。問題はやはり猫である。
　一月前に猫のチーコを二晩、動物病院のペットホテルに預けた。その折はチーコは不安がって暴れた。今回もペットホテルに預ける他ないけれど、やはり嫌がることは目に見えていた。
　われわれ人間家族は５月２日に帰宅する予定でいる。ここで判断は、カミさんたちが発つ４月３０日にチーコを預け、ニ晩ペットホテルで過ごさせるか、私が発つ５月１日に預けて一晩だけにするか、だった。チーコが不安がるから一晩だけにするように私が言う。が、娘たちは私が信用できず、二晩預けろという。結局カミさんの都合で、５月１日に私がチーコをペットホテルに連れて行き、一晩だけ預けることになった。

　４月３０日、カミさんと子供が出発の準備をしている間に私は仕事に出た。カミさんたちが発つのは１７時頃、私が帰宅するのは１８時頃の予定だった。１７時から１８時の間は家でチーコを独りにさせる。チーコが不安がるだろうからと、家の電気はつけておくようにカミさんに頼んだ。
　４月３０日に私が帰宅したのは、やや遅れて１８時半だった。家には灯りがついている。チーコは広い部屋の小さい猫テントの中でしゃがんでじっとしている。室内にはペットホテルに連れて行くのに使う籠が置いてある。家の中がなにやら通常ではなく、しかも籠があることで、チーコは緊張しているように感じた。私は籠を別の場所に移動し、食事を与え、平静のごとくに振舞った。チーコも安心したのか、いつものように行動し始めた。その晩、チーコは私が寝ている布団の、その上で寝た。

　５月１日の早朝にチーコに食事を与えた。私も出発の準備を始める。１２時過ぎ発の電車に乗る予定だった。出発前にチーコを近くの動物病院に連れて行かねばならない。
　チーコは１１時近くにまた食事を欲しがった。食事を与えるとよく食べた。食後に粉末のマタタビを手のひらにのせてチーコになめさせた。チーコは喜んでマタタビをなめる。猫用の籠の中にも少しマタタビを置き、チーコを籠の中に入れ、そのまま蓋を閉めて動物病院まで抱えて持っていった。今回、前回ほどにはチーコは騒がなかった。

　５月２日にはカミさんの郷里で葬儀があった。われわれ家族は１５時半頃に先に戻ることにした。動物病院が閉まる１９時に合わせて予定を組んだ。予定通り電車と新幹線を乗り継ぐ。連休とはいえ、この時間、この進行方向では、移動に支障はなかった。帰宅したのは１９時少し前である。
　帰宅するとすぐ、着替えもせずに私とカミさんは動物病院に向かった。病院の人の説明では、チーコは元気がなく、あまり食事をしなかったという。やはり不安だったのだろう、と思った。チーコを籠で引き取って家に戻った。連れて行くときには声を出さなかったチーコであるけれど、帰りにはさかんにニャーニャーと鳴く。玄関の廊下で籠を開けるとチーコは外に出る。娘たちがかまうので、チーコはすぐにいつもの生活に戻ったようだった。

　ペットホテルの代金は１泊２日で５千円＋消費税だった。一月前に２泊させたときは７５００円＋税だった。料金がどうなっているのかと疑問に思ったけれど、たぶん日数で計算するのだろう。人間のホテルなら泊数で課金する。しかしペットの場合、例えば朝預けて夕方に引き取る、ということがあるだろう。だから、泊数ではなく日数で課金する。前回は２泊３日なので、１日２５００円として７５００円、今回は１泊２日なので５千円、ということだろう。この課金システムがペットホテルに一般的かどうかは、確かめていない。

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