スパゲティ (2004/02/01)

　私は長らくアパートで１人暮らしをしていた。不精な私は料理などまずしない。しかしスパゲティだけはある程度蓄えていたように思う。スパゲティは便利なもので、茹でない限りまず悪くならない。しかも麺自体がおいしく出来ているから、特に手を加える必要もない。高いものを買う必要もない。
　外でスパゲティを頼むとよく、ナポリタンと称してケチャップを混ぜる。あるいはミートと称してソースを載せる。しかしそんなことをするとスパゲティの麺の風味が損なわれてしまう。特にナポリタンは食べる気がしない。
　茹でるときに少し塩を入れるので、スパゲティにはある程度の塩味がつく。それだけで十分食べられる。さらにベーコンなどと一緒に炒めると、ベーコンの塩味で適度な味加減になる。

　本日、カミさんが下の娘をつれて東京に出かけた。特に食べものが用意されていないことに腹を立て、残っていたスパゲティを全部鍋で茹でた。スパゲティの量の割に水が少なかったけれど気にしない。いつもの悪い癖で、６分茹でろと書いてあることろを１分余計に茹でた。茹で上がったスパゲティの量は思ったより多い。冷蔵庫の中を探すと鮭の切り身があった。この鮭を包丁で細かく切り、フライパンにサラダ油とオリーブ油を混ぜて暖め、鮭を軽く炒める。その後でスパゲティを入れてやはり軽く炒める。鮭に塩味があるのでそれ以上の味付けは必要ない。調子に乗って少しコショウをかけた。この調理の手順には何の根拠もない。しかし食べてみると結構おいしい。
　手をかける必要のある料理でこれほど無手勝流にやるとまず食えないものが出来上がる。しかしスパゲティは単純にしか加工しないので、失敗しても麺の風味が救ってくれる。

　むろん、ちゃんとしたところで食べるスパゲティは手が加わってもおいしい。どこぞで食べたスープスパゲティはおいしかったことを覚えている。それでも味を薄めにして麺の風味が残るようにすることが重要なポイントのように感じる。

　調子に乗ってスパゲティを食ったせいで、夕食はほとんど食べられなかった。

メール