赤白と３匹の若猫 (2004/06/27)

　夜、庭に赤白猫がしゃがんでいることがある。そんなとき、赤白猫は食い物が欲しいといっているのだ。私は赤白猫に缶詰の食糧をあげる。赤白に缶詰をあげるようになったのには訳がある。この猫は何度か病気がちになり、食糧を口にしないことがあった。何か食べさせようと思っていろいろ試しにあげているうちに、何となく缶詰をあげるようになってしまった。
　以前、メス猫のＡに缶詰をあげていたときには、赤白は横から割り込んでＡにあげた缶詰食糧を横取りしていた。その頃は赤白は、缶詰であれば何でも食べた。赤白が元気だった頃である。しかし現在はあまり元気がない。概して食べる量も落ちている。そのせいかどうか、段々と安い缶詰には口をつけなくなった。安い缶詰だと、近づいて臭いをかぐけれども、プイと顔を背けて食べない。ところが高い缶詰だと、グレードが分かるのか、缶をあけるとすぐに食べたいという姿勢に入る。

　さて、その赤白のために私が缶詰をあける。皿に盛って赤白にあげようとするけれど、どうも最近は、その状況で３匹の若猫、白猫兄弟の２匹と赤猫が寄ってくる。赤白だけに食べさせようとしても、その食糧に横から割り込もうとしてくる。赤白はそうなると遠慮してしまう。
　そこで考えたのが、赤白に缶詰をあげるときに、別の皿をいくつか用意し、その皿をやや遠い場所に置き、安い缶詰を盛ってやることである。すると若猫たちはそちらに寄って来るので、その隙に赤白に高めの缶詰をあけてあげる。

　この３匹の若猫は、赤白がもらう缶詰を狙って現れるように見える。しかし時折、この３匹に食糧を与えるために赤白が現れるように思えることもある。赤白にあげても結局食べず、３匹だけが食べる、ということがあるからである。
　赤白は若猫に食糧を分け与えるために現れるのではないか、とカミさんにいったことがある。猫にそんな高度な思考がある訳がない、とカミさんは即物的にいう。まあ、その通りかも知れない。

　先日、赤白猫が塀の近くでしゃがんでいた。食糧をあげようとすると、ごく近くに赤猫もしゃがんでいることに気がついた。赤猫は赤白と仲良く一緒にいたのかも知れない。この赤猫と赤白とに血縁関係があるのかどうか、と想像してしまう。このときもやや遠くに皿を置いて安い缶詰食料を皿に盛り、皿を叩くと赤猫がやってきた。その間、赤白猫は動かない。私は再び赤白猫に近づき、赤猫にあげたのより高めの缶詰の食糧をあげた。赤白は一通り食べ終わるとまたどこかに消えていった。

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