猫ミルク (2004/07/17)

　３匹の子猫とその母である赤猫はその後も我が家の敷地によく現れる。以前は物置付近でその姿を見かけていたけれど、最近は１台分の駐車場とその近くの植え込みの辺りで見かけるようになった。この母子は我が家の敷地に終始いる訳ではない。もともとは近所の空き家付近で暮らしていたと思う。折を見て我が家にも現れる、といった調子である。
　最初に子猫を見かけてから１０日ほどしたある日、赤猫が車の下で子猫とじゃれていた。そのとき、子猫を２匹しか見かけなかった。１匹はいなくなってしまったのだろうか、と思った。子猫が２匹になっていることは私のカミさんや娘たちも気づいたらしい。カミさんは子猫が２匹しかいないのではないか、と私にいう。気づいていたと私もいう。死んでしまったのなら可愛そうなことをしたと思う。人間でも生まれたばかりなら抵抗力はない。この暑さで消耗してしまったのだろうか。

　カミさんの話では、子猫用のミルクというのが売っているらしい。私もスーパーや薬局でよく猫食糧を買うけれど、ミルクというのは気づかなかった。カミさんは市内のケーヨーＤ２で見かけたという。これから出勤する私としては、買いに行く訳にもいかない。買っておくようにとカミさんに頼む。買いに行けたらね、という気のない返事が返ってきた。
　夜、帰宅するといつものように、赤白猫に食糧をあげる。寄って来る若猫３匹にもついでに食糧をあげる。玄関の棚の上には２つ、缶があった。片方が猫ミルクでもう片方が猫用の離乳食であるという。その他にも赤ちゃん猫用の食糧があった。カミさんが買っておいてくれたのである。この猫用のミルクは、息子のＹに買っていたミルクよりも高いとカミさんがいう。
　さっそく試してみた。缶の使用法に忠実に、ミルクの粉を２倍ほどのお湯で溶いてよく混ぜた。ミルクの粉はなかなかお湯に溶けずに浮き立ってしまう。きれいなミルクにはならないけれど、一応のミルクらしくなったところで子猫のいる駐車場近くに持っていった。残念ながら子猫はミルクを舐めず、母親の赤猫が舐め切ってしまった。子猫でなくても飲むことが分かったのは収穫だった。試しにまたミルクを作って赤白猫にあげてみると赤白猫もよくミルクを飲んだ。
　その後何度か試してみたけれど、この小さい子猫がミルクないし離乳食に口をつけるところはほとんど見かけない。たまに飲むのは赤猫であり、よく飲むのは赤白猫である。まあ、親猫が栄養をつけてオッパイをやればよいのだろう、と割り切った。
　しかしこの子猫は、親猫用安い缶詰、消化に悪そうな食糧を食べるのである。子猫用の缶詰もあげたけれど、子猫用だから特に食べるというものではない。

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