夏のチーコ (2004/08/03)

　家猫のチーコはもともと外に出たがる猫ではない。家を出るといってもせいぜい１、２時間出かけているくらいである。たいがいは庭か、近所の敷地にいる。基本的には家の中にいる。近所のオス猫が遠出をしてなかなか帰らないのに比べると、ウチのチーコはいかにも家猫である。

　そのチーコもこの夏で我が家に住着いて３年目になる。慣れてきたからなのかどうか、この春頃からチーコは遠出をして長い時間、家に帰らないことが多くなった。
　ちょうどその頃、我が家の庭にも今までにない変化の兆しが生まれた。今までウチの庭に来る猫といったら、主にＡか赤白猫だった。少なくとも同時に多数の猫が来ることは少ない。だからチーコは長い時間、我が家の庭を占拠できた。ところがちょうど春頃から我が家の庭に若猫３兄弟、つまり２匹の白猫と１匹の赤猫が頻繁に現れるようになった。猫は年上だと強いらしい。そこでチーコは、その年齢と地の利を生かして、この若猫たちを追い出しにかかった。オスの白猫２匹は追い出せないかも知れないけれど、ネス猫の赤猫のことはよく追い出していた。
　しかしこのメスの赤猫は、子猫を生んだ頃からだんだんと強く出るようになった。チーコがおされ気味になってきた。
　そんな訳で、チーコは我が家の家猫でありながら、我が家の庭の制海権は失ったかに見える。偶然かも知れないけれど、チーコが遠出をするようになったのはこうした変化と期を一にしている。

　最近は、チーコは朝早く出かけて朝のうちにいったん戻る。家で食事をしてからまた出かける。昼間はほとんど家にはいないようだ。午後に家に帰るけれど、夕飯時にはまた外に出ていることが多い。家に戻るのは夜半になることが多くなった。
　最近のこの暑い日中、チーコはいったいどこで過ごしているのかと不思議に思う。
　むろん出かけているのは天気が良いときであり、雨の日には家の中で一日中ごろ寝している。

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