温室の母子猫 (2004/12/25)

　赤の母猫の子猫２匹はどこに住んでいるのか分からない。我が家の敷地内の植え込みでよく見かけるけれど、常にいる訳ではなかった。無事に暮らしていれば構わないけれど今は冬である。暖冬といえ夜は寒い。この寒さをしのげるところがあるのかどうかと不安に思う。
　我が家の常連の猫たちは幸い、この子猫たちの面倒を見ているようだった。白猫は時折、子猫と遊んで道路や我が家の敷地内にいる。それでも、常連猫たちは、夜になれば我が家のピアノ室部屋に入り込む。母猫も一緒にいる。では子猫はどうしているのか、と心配になる。

　庭の温室はもともと、猫Ａのために建てたものである。Ａが消えてからは赤白猫に住んで欲しかった。しかし温室は常連の若猫たちに占拠され、赤白は温室に入ろうとしなかった。だから赤白のためにピアノ室部屋に猫が入れるようにしたのである。結果、赤白はピアノ室部屋にたむろするようになったけれど、一緒に若猫たちもピアノ室部屋に寝泊りするようになってしまった。
　その結果、温室は空いていた。
　だから、子猫たちはこの温室に来ればよいではないか、と思っていたけれど、温室に入る気配はなかった。子猫たちは温室から離れた植え込みの中でしか見かけない。そのため、もとは玄関の近くに置いていた犬小屋、実は猫Ａのための温室を作る前に買った犬小屋を、子猫が入れるようにと、植え込みの近くに持って行ったのである。犬小屋の中には毛布や寝袋も入れた。
　子猫たちは確かに、この犬小屋付近で見かけることもあった。しかし見かけたのは犬小屋が植え込みの近くにあるからであり、犬小屋で暮らしている風は全くない。

　段々と寒さも増していった。以前であれば植え込みの中で暮らせたかも知れないけれど、今では寒すぎる、と思えた。
　１２月に入り、以前から冬に温室に置いていた石油ストーヴを温室に入れた。温室に猫が来る形跡はないけれど、ここを暖かくしていれば子猫たちが来るのではないかと思った。寒い夜には温室で石油ストーヴをたくようになった。

　数日前のある夜、今夜は寒いからと温室に石油ストーヴのスイッチを入れに行ってドアを開けたら、中に母猫がいた。一緒に小さい影が見えた。私の姿を見て子猫はすばやく逃げる。しかし子猫は温室に来ていると思ってやや安心し、ストーヴのスイッチを入れた。逃げていった子猫も後で戻って来ると思った。
　という訳でこの数日、赤の母猫は他のオス猫から離れ、夜は温室で過ごしているようである。その傍に子猫もいるようだ。よく見かけるのは赤猫の子猫、つまり元気な方の子猫であるけれど、もう１匹の黒赤の子猫も時折見かける。人を警戒して姿を見せようとしないだけであるかも知れない。

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