猫草 (2005/01/23)

　猫は草を食べる。家猫のチーコが外に出ると草を食んでいるのをよく見かける。我が家常連の猫たちも同じである。
　猫は基本的に肉食と思う。けれども、猫はよく身体を舐めて掃除をする。その際、毛を飲み込んで消化器官の中に毛玉が溜まるらしい。草の繊維質をとることでその毛玉を吐き出しているそうである。

　そんな訳で他の猫たちはあちこちにある草を時折食んでいると思うけれど、問題は私の部屋に閉じ込めているモモである。モモの空間には草がない。
　モモは時折洗濯物の繊維を食んでいるように見えることもある。そこでちゃんと猫草を買ってやろうと考えた。
　入手できる猫草には２種類ある。１つは植木鉢のような格好で草を売っているのである。近所のスーパーの鉢植えコーナーで見かける。もう１つは、土と猫草の種をプラスティックの容器に入れて売っている製品がある。こちらの方は容器に種を蒔き、水をやって数日すると草が出る、という代物である。

　正月の前後、私はその両方を買ってきた。まず、鉢に植わった猫草の方は、庭猫用にピアノ室部屋に置いた。モモのためには種を蒔く方を選んだ。私の部屋で容器に土を入れ種を蒔き、数日待つことにした。
　数日後に容器の土の上に草の芽が出てきた。モモの近くに置いたけれど、モモは食べそうになかった。しばらくすると、私が頻繁に水をやることを忘れたせいもあり、猫草はそれ以上は芽を出さず、次第に枯れていった。
　やはり鉢に植わった猫草を買ってあげようと思った。近所のスーパーには猫草の鉢が３つ置いてあった。そのうちの１つを買って帰った。緑の葉が立派に長く伸びている。私の部屋の机の上にしゃがんでいるモモの前にその鉢を置いた。モモはすぐに、飢えていたかのようにその草を食み始めた。

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