赤白の花 (2005/04/23)
| 赤白の遺骨を埋めたのは庭の植え込みの近くである。墓標はない。確か遺骨を埋葬した日、近くのスーパーに買い物に行ったときに百円の小さな鉢を買ってきて、埋めた場所の地面に置いた。黄色い菜の花のような花だった。その鉢は意外と長持ちし、しばらく黄色い花を咲かせていた。 さすがに最近はその花もしおれた。休みの日、スーパーに買い物に出るときに別の小さい鉢を買ってあげようと思った。 スーパーで買い物をしたけれど、あいにく花を買うのは忘れてしまった。 悪いな赤白、お前のことを忘れた訳ではない、と思いながら２時間ほど後にまた買い物に出た。猫食糧の他に１枚千円（税抜き）のＣＤを買ってきた。今度は帰り道に花屋があるので忘れることはなかった。赤と白の小さな花を植えた２１０円（税込み）の鉢を買ってきて、赤白の遺骨を埋めた場所に置いて水をやった。 人はなぜ、死んだものの供養をしようとするのか、と考えた。進化的な原因は思いも付かない。 「説明」ではないかも知れないが、次のようなことを考えた。死んだものでも私の自己概念の中では生きているのだ。私は供養をすることでその死せるものとの交際を継続し、自己概念を保っているのだ。 赤白の「墓」の近くにはハナミズキがあり、今を盛りに白い花を付けている。私が買ってきた鉢はその下でピンクの彩を添える。 |
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