続・外猫の白 (2005/05/26)

　私の部屋の猫３匹状態は白に抗生物質を与え終わってから１週間以上続いた。しかしこの状態には無理があったようだ。

　私が夜中、布団の上に横たわってウトウト眠っていたときのことである。私の近くで上の娘が怒りながらカミさんに話している。白が部屋から出ようとして鳴いてガリガリやるのでうるさい、という不平を言っている。下の娘も猫がかわいそうだ、と追従する。カミさんは私が怒るから仕方ない、という趣旨のことを言っている。
　娘がいなくなってから私は布団の上でおきだした。考え込んだ。実は腹が立った。最初に猫が可愛いから野良猫のチーコを飼えと言い出したのはお前たちではないか。お前たちも猫が可愛いと可愛がっていたではないか。しかしそれ以上のことを、お前たちは何をしたというのか？　死にかけたモモを救うことを賛成したけれど、私以外は何もしなかったではないか。私の部屋だけに閉じ込めるのが可哀想だから、ときどきモモたちをお前らの部屋に行かせるように頼んでも、いつも断るだけだったではないか。部屋に猫を入れることをなぜ全く許さないのだ。だからこの猫たちは、私の部屋だけに閉じ込める以外にないのではないか。
　そう考えてから私は２階の自分の部屋に行った。白たち猫３匹がいる。この猫たちは私がいなくなると騒ぎ出すのである。

　しゃがんで穏やかな顔をした白を眺めた。この猫はできればずっとここのいて欲しいと思った。しかしじきに、白はまたこの部屋の出入口である襖のところに行ってこの部屋から出たいというかのように鳴き始めた。
　やはり白をずっとここに置くのは無理なのだろうか、と思った。そう思うと白を抱いてこの部屋を出た。１階のピアノ室部屋で白を放した。食糧をあげた。この部屋は猫ドアを挟んで庭に通じている。どうするかは白に任せた。
　白は案の定、庭に出た。私は庭の地面にしゃがんで白の姿を眺めた。白は庭の中を探索するかのようにあちこちと飛び回った。外に出られたのがうれしかったようだ。そのうちに白の姿は見えなくなった。
　その次の日、庭で白を見かけることはあったけれども、白はあまり現れなかった。このまま来なくなってしまうのか、と心配した。しかしじきにまた、毎日のように姿を現し、夜になると猫ドア、もともとは赤白のために作った猫ドアを通ってピアノ室部屋の隙間に入ってくる。他の猫、コロちゃんや黒子などと仲良くピアノ室部屋にたむろしている。

　白がいなくなることでまた、私の部屋は猫２匹状態に戻った。お調子者の白がいないことでいくぶん、活気が消えうせてしまったようだ。

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