母子捕獲（前編） (2005/11/03)
| 私の猫道楽に重くのしかかっている一事があった。メス猫の母子（ハハコ）である。 猫は可愛がっていればそれまでのように思うが、実はそうではない。食糧にありついて生存が確保されると、猫は子供を産む。一度に一匹だけ産むということはまずなく、３、４匹は産むのである。しかも猫は受精して２ヶ月くらいで出産するらしいので、産み続けるとすぐに猫だらけになる。 オス猫はあまり子供の面倒を見ない。見るのは母猫である。生まれたばかりの猫は２ヶ月くらいは母猫と過ごすので、子供は母猫と一緒、と見た方がよい。ということは、メス猫がいると猫がどんどん増えてしまう。 実際、私の部屋に棲んでいるモモちゃんとコロちゃんは、父親は知らず、どちらも母子の子供である。 母子は多産系のようで、しかも子育てのノウハウがある。だから子供を実際に育てる。 その母子が妊娠している姿を何度も見ていた。だから母子を捕まえて避妊、流産させようと今まで考えていた。しかし他の猫、特にオス猫と異なり、母子は警戒心が強い。たぶん野良のメス猫はみな警戒心が強いのである。だから、食糧は食べに来るけれど、捕まえられる距離になれない。 どうやって捕まえたらよいかと、以前、動物病院で相談してみた。基本的には餌付けで飼いならすことだという。しかし母子の警戒レヴェルから推し量ると、おとなしく捕獲できるとも思えなかった。 いったん子供を産んでしまうと、赤ちゃん猫がいる母猫を捕まえる訳にもいかない。だから母子が子供を産んでしばらくは、母子を捕獲しようともできない。 母子は私の家の敷地内では子供を産まない。どこかで産んで、動かせるようになってから我が家の敷地に連れてくるのである。産むには適さないが、食糧を確保するには適している、ということだろう。 そうやって今までに３度、母子は子供を連れてきた。最初に連れてきた子猫は３、４匹である。その子猫たちには猫ミルクをあげたりした。しかしみな、いなくなってしまった。唯一残ったのは一番病弱で、小さな、モモちゃんである。そのモモちゃんも死にそうになっているとき、捕まえて動物病院に連れて行った。モモちゃんは今は私の部屋に棲んでいる。 ２度目も３匹くらい産んで連れてきた。その子猫のうち、残ったのは赤系のオス猫と黒（正確には三毛）のメス猫である。オス猫の方がコロちゃんであり、動物病院通いを経て、今は私の部屋に棲んでいる。もう一匹は我が家の庭猫になっている黒子（クロコ）である。 ３度目は今年に入ってから母子が連れてきた子猫たちである。何匹かの、黒子と同じ黒っぽい三毛の中に、真っ白な子猫がいた。この白子猫は、明らかに常連の庭猫の白が父親である。黒っぽい猫は一匹だけ残った。残った一匹は黒子と非常に似ている。白い方を小白（コジロ）、黒い方を小黒（コクロ）と我が家では呼んでいる。 かくして母子はさんざん子供を産んできた。それ自体はおめでたいことのように思うが、我が家としては放置できない。何としても母子を捕獲しなければ、という思いに、私とカミさんはかられるのであった。（続く） |
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