猫庭手入　 (2006/11/28)

　朝、私がおきるとカミさんが「実は」と切り出す。今日は例年の植木屋さんが来て庭の手入をするという。予定では昨日やるはずだったが、雨で流れたという。今朝も雨が降りそうだったのでまだ延びる可能性があったけれど、できそうなのでやることになったという。
　我が家の庭はこれといって手入をしない。ecological area のようなものである。現在はひまわりの枯れた茎と、まだ花をつけているいくばくかのコスモスが庭の中では目立っている。通常であればこの辺で草刈をするのであろうが、まず私はやらない。そこで例年、大宮の植木屋さんがこちらで仕事があるついでのときに手入をしてもらうことになっている。手入といっても、平面の草取りと、若干の木の手入であり、さしたる時間はかからない。
　しかし私はこの手入にはいつも批判的である。私は手入をする必要はないと思っている。猫にとっては多少とも草花や茎が残っている方が有難いはずだ、と思えるからである。
　この辺りは冬、風が冷たく、強い。だから茎があれば多少の風除けにはなるし、草があった方が地面は暖かい。寒い日は地面に霜柱が立つけれども、草がないと猫たちはその上を直接歩かなければならない。
　いつも私の抵抗にあっているために、カミさんは私には告げずにこの計画を進めていたらしい。

　例年であれば朝の７時頃から手入が始まり、昼頃に終わる。しかし今日は天気を見ていたために、９時過ぎに植木屋さんの車がやって来た。今までは２人でやっていたけれど、今日は３人である。
　手入が始まると案の定、草を刈るために電動の草刈機を使う。植木屋さんが到着したときには、庭の猫温室に庭猫の黒子が寝ていた。が、たぶんすぐにどこかに逃げていったように思う。庭猫の一部は家の中に隠れていただろう。
　午後に手入は終わった。木などは確かに整えられたけれど、地面の草はすっかり刈られている。庭の様子が一変したので、猫たちが逃げたまま寄り付かないことが心配になる。特に、寄り付きにくい猫の黒子のことが心配なのだ。
　手入が終わってもしばらく、猫の姿はなかった。
　夕方になり、私が庭でブラブラしていると、猫の小白らが私に近づいてきた。心配していた小黒も現れた。正面から庭に入ってきて、様子が変わったことに驚いたような表情をする。様子は変わってもここはお前らがいるところなんだよ、というメッセージを伝えたくて、すぐに猫食糧をあげた。
　幸い、今日は曇りながら暖かく、風もない。

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