捨てられない (2000/12/27)
| 私の研究室は混乱している。汚い。そこで年末に掃除を始めた。 掃除の難しさは物を収納するスペースを作ることにある。狭いから整理するのだけれど、整理するために狭いところで収納スペースを作らなければならない。少しずつ整理を進めている。「完成」するのは年が明けてからになるだろう。 私の部屋が汚い原因の１つは、私が物を捨てられない性格だからである。面白いことに、私の母は何でも平気で捨てる。高校生の頃か、ある日気づいてら、私の思い出のプラモ類が消えていた。好意的に考えれば、私の優柔不断を母が補ったのだろう。 研究室の整理の過程で思わぬものが出てくる。開かずの間のような棚を開けたらだいぶ以前の試験答案やらレポートが出てきた。眺めてみると名を覚えている学生の答案、レポートが含まれている。なにやら懐かしく、どうにも捨てる気になれない。 大学院の入試要項、過去の試験問題が出てきた。１０数年前、今は石川県で社会科の高校教諭をしているＭ君のものである。書類に見覚えがある。彼は東京周辺の大学院の受験を考え、埼大の大学院には合格していた。彼にとって一番都合が良かったのは郷里石川の金沢大学の大学院に合格することだった。合格通知がなかったのでダメだと思っていたらしい。が、合格通知がアパートの郵便受けかドアの変なところに挟まっていたのに後で気づいた。私がＡ先生と一緒にバス停に並んでいたときに、受かったんですよと走って言いに来たことを今も覚えている。彼の大学院受験関連の書類は捨てたけれど、受験用の写真がネガ付きで残っていた。その写真だけはＭ君に郵送した。 |
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