トシちゃん闘病記（１） (2008/03/03)
| 病気のメス猫のトシちゃんを家の近くで保護したのは一昨年の１２月２１日の深夜だった。忘れられない出来事だった。ひどく痩せていた。次の日にトシちゃんを動物病院に連れて行ったら、いきなり「安楽死の可能性」と言われた。猫白血病に感染している上に、舌潰瘍があって食事をとり難く、しかも腎臓がほとんどダメになっている、ということだった。 しかしトシちゃんは投薬で回復していった。そのこと自体驚異的だったらしい。 その辺の経緯は以前の記事として書いてある。 拾い猫トシちゃん (2006/12/31) 左胸のトシちゃん (2007/02/17) トシちゃんの１年 (2007/12/31) その後、トシちゃんの病状は一進一退だった。特に良くもならないが命の危険があるでもなかった。トシちゃんには感染性の猫白血病があるので、私の部屋のケージに入れたままである。他の猫と接触させる訳にはいかない。私はほぼ毎日、トシちゃんをケージから出して、ウェットティッシュで身体を拭き、水で溶いたインターフェロンと別の薬とを投薬していた。こうして１年近くが経った。 トシちゃんが私の部屋に棲み始めて１１カ月近く経った昨年の１１月中頃のことである。薬をもらいに行きがてら、トシちゃんを籠に入れて動物病院に診察に連れて行った。 毎日トシちゃんを見ていたので私は気付かなかったが、トシちゃんの体重が減っていた。どうも腎臓が悪化しているという。すぐに入院することになった。数日して退院したが、私が家で強制給餌をすることになった。時折点滴に連れてくるように言われた。猫は脱水状態になりやすく、特にトシちゃんの場合は脱水が激しいらしかった。 その時点で、普通で行けばトシちゃんの命はあと３か月くらいだろう、と言われていた。 なんとか、トシちゃんを保護した１２月２１日までは生かせてあげたいと思った。１年という期間に特に意味はないけれども、すぐに死なせるのはかわいそうに思えた。 保護したとき、トシちゃんの首には布の首輪があった。だからトシちゃんは誰かに飼われていた猫である。そのトシちゃんが、道に迷ったのか、あるいは病気になったので捨てられたのか？ かわいそうに思えた。だから少しでも楽しい思いをして欲しいように思った。 時折入院させながら家では強制給餌するという日が続いた。そのうちに、１年の区切りの１２月２１日を過ぎた。正月も過ぎた。２月になった。悪いながらも一応安定しているように見えた。 しかし２月になると、トシちゃんは強制給餌をしている食糧をなかなか受け付けなくなった。食糧を流し込まれることを拒否するようになった。腕（前脚）で注射器を避けようとするのは元々であるが、私の手に爪を立て、悲鳴のような声をあげて拒絶するようになった。カミさんに頼んで私が腕と身体を抑え、カミさんに給餌してもらったこともあるが、食糧をあげることが困難になっていった。口に入れた食糧を外に出すようになった。それだけ、摂食自体が難儀になっていったのだろう。 強制給餌をすることが切なくなった。トシちゃんを生かそうと思って給餌をするのだが、トシちゃんは激しく嫌がる。食糧も周囲に飛び散る。無理に給餌をすることが良いことなのかどうかと疑問にも感じ始めた。 給餌がうまくいかないので、動物病院に連れて行ったとき、点滴に加え、院長に強制給餌をしてもらうようになった。 ２月の半ばのある日、カミさんに頼んでトシちゃんを動物病院に連れて行ってもらった。その折、トシちゃんは吐いたらしい。トシちゃんを連れ帰るときにも籠の中でひどく吐いた、とカミさんはいう。尿毒症が出ているらしい。手術をして透析をするか、透析はせずに看取るかを選択する必要があると病院で言われたという。透析の手術では感染の危険もあるという。 身体は傷つけづに看取ることを選択しようと考えた。 次の日、私はまたトシちゃんを連れて動物病院に向かった。腎臓の機能が悪化し、吐くようになっているという。相当悪い状態であるという。そのまま入院となった。 （続く） |
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